ボウリングは、ボールを転がしてピンを倒すシンプルなスポーツです。ただし、ボウリングの歴史がわからない方も多いのではないのでしょうか?
そこで本記事では、ボウリングの歴史や文化を徹底解説します。世界と日本の起源を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【世界】ボウリングの歴史

ボウリングの歴史は古代エジプトにまでさかのぼり、紀元前5200年頃には既にボールを転がしてピンを倒す原型が存在していたと考えられています。
以来、中世ヨーロッパではピンを倒す作法や並べ方がさまざまに発展し、16世紀ドイツでは宗教改革者マルティン・ルターが9本のピンを菱形に並べるルールを統一し、現在のボウリングの原型となりました。
テンピンボウリング(10本のピン)は17世紀のアメリカで確立され、1895年の全米ボウリング協会設立によって統一ルールが生まれ、競技スポーツとして世界中に広がっています。
【日本】ボウリングの歴史

ボウリングが日本に初めて伝わったのは、1861年(文久元年)長崎・出島の外国人居留地にできた「インターナショナル・ボウリング・サロン」が始まりです。
当初は外国人専用の娯楽でしたが、戦後1952年に東京・青山へ国内初の民間ボウリング場が誕生し、昭和40年代には「ボウリングブーム」で一気に全国へ普及しました。
1963年には全日本ボウリング選手権、1964年に全日本ボウリング協会が設立されスポーツとしての発展も加速。現在も競技性とレジャー性を持つ国民的スポーツとして、多くの人に親しまれています。
ボウリングの3つの基本情報

ここでは、ボウリングの3つの基本情報を紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.ボール|体重の約10分の1になる重さを選ぶ
ボウリングで自分に合ったボールを選ぶ際は、「体重の10分の1」を目安に重さを選ぶのが基本です。例えば体重60kgなら約6kg(13ポンド)のボールを選ぶと、適度なパワーと安定したコントロールが得やすくなります。
重いボールはピンを倒しやすいですが、無理に重すぎるものを選ぶとケガや腕の疲労の原因になるため注意しましょう。最初は軽めから試し、投げやすく安定する重さをじっくり見つけるのがおすすめです。
親指の穴のサイズやフィット感も大切なので、実際に持って握り心地を確かめてからボールを決めましょう。選び方次第でスコアや楽しさが大きく変わりますよ!
2. ファールラインを超えない|投球が無効になってしまう
ボウリングはファールラインというレーン上の境界線を越えて投球すると、倒したピンの数にかかわらず投球は無効となり、スコアは0点になります。
足だけでなく体のどの部分でもラインを越えればファールが適用されるため、スムーズな投球動作の中でも注意が必要です。また、レーンの先はオイルが塗ってあってとても滑りやすく危険でもあり、マナーとしても絶対に超えてはいけないルールです。
公式戦では、自動センサーや審判による厳格な判定も行われています。正しいポジションとフォームを意識し、ファールにならないよう気をつけましょう。
3. ボールをしっかりと握る
ボウリングで怪我なく安定した投球をするためには、正しくしっかりとボールを握ることが重要です。基本は親指を根元までしっかり穴に入れ、中指・薬指は第二関節まで差し込みます。
手のひら全体で包むように持つことで、力がボールに均等に伝わり、スムーズにコントロールできるでしょう。握りが浅いとリリース時にボールがすっぽ抜けたり、逆に強く握りすぎると腱や筋に負担がかかり、腱鞘炎や突き指などケガのリスクが高まります。
自身の指のサイズとフィットするボールを選び、安定したグリップを心がけることが上達と安全のカギです。
ボウリングの4つのマナー

ここでは、ボウリングの4つのマナーを紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。
1. 靴下を履く
ボウリング場で必ず守りたいマナーとして「靴下を履く」ことがあります。レンタルシューズは多くの利用者が共有するため、衛生面や快適さのために靴下着用は必須です。
素足で履くとシューズ内が汚れたり、汗による不快感、また他のプレイヤーにも迷惑がかかることがあります。ストッキングの上からでも靴下を重ねて着用するのがベストです。
忘れた場合には、場内で販売されていることが多いので利用しましょう。足元の清潔は他の利用者への思いやりであり、快適なプレー環境を保つためのエチケットです。
2. アプローチには一人で入る
アプローチは、投球者が集中してフォームを作る大切なスペースです。マナーとして、投げる人以外はアプローチエリアに入らず、1人ずつ順番に入るのが鉄則です。
※ボウリングの「アプローチ」とは、投球者がボールを持って助走し、ファールラインまで進むためのエリアのこと。
特に隣のレーンでも同時にアプローチに上がると互いに気が散りやすく、接触やけがの原因になる場合もあるため、相手の投球が終わるまで待つのが基本。その際、右側のレーンが優先されるという慣習もあり、譲り合いの気持ちが大切です。
安全で快適なプレー環境を保ち、他のプレイヤーへの思いやりをもった行動こそ、ボウリング場での最良のマナーです。
3. ロフトボールはやめる
ロフトボール(ボールを高く放り投げる投球)は、ボウリング場のマナーとして必ず避けるべき行為です。レーンを傷めるだけでなく、大きな落下音が他の人の集中を妨げたり、場合によっては周囲に不快な思いをさせることもあります。
また、レンタルボールの穴や投球フォームが合わないときに起こりやすいため、自分に合ったボールを選び、正しいリリースを心がけることが重要です。ロフトボールをすればスコアも安定せず、レーン管理にも迷惑がかかります。
周囲への配慮とレーンを長く美しく保つためにも、ボールは静かに転がすのがマナーです。
4. 同時投球は避ける
ボウリングのマナーとして、隣同士で同時に投球することは絶対に避ける必要があります。互いに集中を妨げるだけでなく、アプローチ上で接触したり事故やケガの危険もあるためです。
アプローチに同時に上がった場合は、右側の人が優先して投球するのが基本で、必ず譲り合いの心をもって待ちましょう。安全かつ快適にプレーを楽しむためには、周囲の状況をよく確認し、順番を守ることが大切です。
同時投球を避けることは、ボウリング場での最低限のマナーとしてルール化されています。
まとめ

ボウリングは、古代エジプトに起源を持つ歴史あるスポーツです。時代ごとに形式やルールが進化し、アメリカで確立されたテンピン方式が世界の主流となりました。
日本では19世紀に長崎・出島で導入されて以降、戦後には一大ブームとなって全国へ普及。現在では老若男女が楽しめる身近なスポーツとして定着し、魅力はレジャー性と競技性の両立にあります。
歴史やルール、マナーを理解すれば、より深くボウリングを楽しむことができるでしょう。